大日向小学校断熱DIYワークショップ

大日向小学校の保護者有志「大日向エネルギー会議」によって、保健室断熱DIYワークショップが開催されました。僕は保護者ではありませんが、昨年から相談を受けており、当日はアドバイザーとして参加してきました。

佐久穂町が保有していた廃校を転用した大日向小ではこれまでエアコンがついている教室がなく、万が一の体調不良で運ばれてくる保健室も同様。コストの問題、エネルギーの問題から断熱して家庭用エアコンで冷房することにしました。

今回はこれまでのワークショップと異なり「夏の暑さ」を解消するのが主目的。地元の工務店新津技建さんに教わりながら、参加者で断熱材を入れ、石膏ボードを貼り、ファイバーテープ、パテを使っての下地処理。カーボンコートを塗って初日は終了。家のリフォームなどで実践できる有意義なワークショップとなりました。

同時並行で内窓建具を組み立て、ヒノキの心地よい香りが広がる中ポリカーボネートの縦桟に木を入れていきます。
翌日に漆喰仕上げで完成!大日向小学校らしいオリジナリティあふれる保健室断熱DIYになりました。

ネオマフォームは旭化成建材様より提供。今回断熱DIYワークショップでは初めて市販品ではなく、工場で一定数出てしまう、汚れ軽微な傷などが原因で出荷できないものをいただきました。いつもはリサイクルしているとのことですが、やはりエネルギーを使うので理想は断熱材としてそのまま使うのがいいとのこと。
建具のポリカ中空板は地元の建材商社カネト様より提供いただきました。

いま日本各地の自治体が所有する公共施設の3-4割は学校とされています。その学校は多くが無断熱の建物です。1.5℃目標達成のために、日本政府として2030年度に温室効果ガス排出2013年度比46%削減、更に50%削減の高みを目指すことを国際公約としています。
にもかかわらず今ある学校は断熱されていないし、ほとんどの新しい建物も断熱レベルは高くありません。
教育環境の向上のみならず確実に実行できる温暖化政策として、草の根から学校の断熱化を訴えていきたいです。

佐久穂町で空き家と断熱をテーマに講演

「住まいと教室の『断熱』勉強会」と題し開催された会で、佐久穂町で講演を行いました。4月末のゴールデンウィーク中に大日向小学校保健室で断熱改修DIYワークショップを計画しており、そこに向けて地域の方々に気候変動と断熱を知っていただきたいという趣旨です。

勉強会ではまず東北芸術工科大学の竹内昌義先生より、なぜ断熱が必要なのか、地球温暖化や社会情勢などの背景に始まり、具体的な断熱DIYの手法や事例、長野県内の学校での取り組みなど、網羅的にお話しいただきました。

僕のパートでは、断熱の効果についてと、軽井沢で先日着手したリノベ「作り手たちのアトリエ」を題材に、「どうやってやるのか」「費用と時間がどのくらいかかるのか」を説明。

大日向小学校の関係もあり移住者は多いけれど良質な賃貸はなく、一方で空き家はたくさんあります。空き家の持ち主にはこうすれば放置している建物を活用できる、また家探しをしている人にはこうすれば費用を抑えて性能のいい家を手に入れることができると思ってもらえるような話をしました。

多くの人に身近な話題として聞いていただけたと思います。

質疑応答では、参加された方々から自宅の寒さや改善策について色々質問が出て、非常に活発な時間となりました。地域のみなさんがどなたでも参加しやすいようにと、あえて事前申し込み制にしなかったところ満員、一部の方々にはサテライト会場でオンラインで観ていただくほどとなり、関心の高さがうかがえました。

岩村田高校断熱DIYワークショップ

岩村田高校で断熱改修DIYワークショップが開催され、岩村田高校および長野県佐久地域振興局からの依頼でサポーターとして参加しました。

長野県にて断熱改修ワークショップのための予算を計上頂いており、加えて旭化成建材株式会社様より断熱材「ネオマフォーム」を提供いただきました。

断熱についての事前レクチャーからお手伝いしていて感じたのは、課題を発見し、情報収集。そうして自分たちが気候変動に対し何かできることはないか考え実践していくという一連のプロセスは、探究的な学びと親和性が高いということです。

当日は作業はもちろんのこと、その効果をサーモカメラで確認することで「断熱すごいすごい」と声が上がっていました。

みんな楽しく仕事し、一日で内窓と壁断熱ができました。 探究の学びでの疑問から始まって、建物の環境改善や、気候危機に対して自分たちでもできることがあるって感じてもらえたのが嬉しかったです。

いまワークショップを計画している小学校の関係者にも見学してもらい、

「はがされたとき全教室快適だといいなぁ」

まったくですね。2030年まであと7年、温室効果ガスを排出せず快適に過ごせるよう断熱するのが大人の責任だと思います。